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韓国の食文化の楽しみの一つといえば屋台です。夕方頃になると、町中あちこちで屋台を目にすることができます。特に鍾路、東大門市場、建大入口、明洞などの繁華街では、屋台が歩道にずらっと並ぶ韓国ならではの光景が見られます。

日韓コミュニケーションスタイルの違い

 日本と韓国は最も似ている国であると言われます。しかしお隣の国といえども外国、文化の違いに戸惑いを感じることもあるかと思います。

               
 日本語と韓国語も最も似た言語であると言われます。例えば両言語共に助詞が存在し、語順も同じ、など文法的事項にも共通点があります。また漢字圏の言語として漢字を同一の基盤とした語彙を使用することから発想も似ていると言われます。しかし日本語の文章をそのまま韓国語に置き換えれば対話が成立するわけではありません。思わぬところに言語文化の違いがあるのです。例えば、挨拶表現や謝罪表現、断り表現などにおいてコミュニケーションをとる手法にもちょっとした違いが見られます。


 ここでは、日韓の挨拶表現について見てみたいと思います。一般的に日本語は曖昧な言語だといわれますが、外国人から見た日本語は定型表現が多く形式的な印象があると言います。あいさつ表現を比較した研究においても、日本語は決まり文句的な表現が多い一方、韓国語では相手や場面に応じて様々なあいさつ表現があらわれるということが指摘されています。
 

 例えば、日本語の「おはようございます」というあいさつ言葉。韓国語には日本語の「おはようございます」に当たる表現として「?(アンニョンハセヨ)」というあいさつ言葉があり、これは朝、昼、晩、時間帯に関係なく使うことができます。しかし、韓国語では「?」以外にも、「 ?」(チャル チャッソ/よく寝た?)や「?」イロナッソ/起きた?)「 ?」(パp モゴッソ/ご飯食べた?)「?」(ワッソ/来てたの?)等があいさつ言表現として使われることがあります。
 

 また、韓国語には<―()>(―(ウ)セヨ/~てください)という命令形を作る終結語尾を使った、形式上「命令形」をとるあいさつ表現が存在し、このような表現方法により韓国語のあいさつ表現が多様に現れているということができます。例えば食堂の主人はお客さんに向かって「 . 」(マシッケ トゥセヨ/おいしく食べてください)と声をかけますし、デパートで洋服を買えば、「 .」 (イップゲ イブセヨ/きれいに着てください)と声をかけながら店員が品物を渡してくれます。これに対しお客さんのほうは「 . 」(マニ パセヨ/たくさん売ってください)、や御苦労さまですの意味で「. 」(スゴハセヨ/苦労してください)と言ったりします。このような表現は日本人の耳にはストレートすぎて、少々踏み込んだおせっかいな表現と感じることもあるかも知れません。しかし

 

 このようなあいさつ表現は韓国の言語文化において定着した形式的な表現なのです。
このように、韓国では状況に応じて具体的で多様なあいさつ表現があらわれます。もし韓国人の友人からプレゼントをもらうようなことがあれば、ありがとう、という言葉に付け加えて、「 .」(チャル スルッケ/よく使うね)と言ってみてください。

 

 これに比べ、「どうも」などの一言で様々な意味を含み、多様な場面であいさつ言葉として機能するあいさつ表現は言わないことを美徳とする日本語に特有なものだと言えます。このような日本の言語文化は「あうんの呼吸」や「本音と建前」といった言葉にも表れています。韓国語には「どうも」に該当するような曖昧な表現はないため翻訳が難しい言い回しのひとつであり、また外国人に分かりにくい表現でもあるのではないでしょうか。
 

 このように同じ場面でも日韓で異なった表現が使われることが多くあります。国によりそれぞれの文化的背景を基盤とした思考方式やコミュニケーションスタイルの違いがあるということは異文化と関わる上で難しい点でもあり、また面白い点でもあるのではないでしょうか。お互いの考え方や文化的背景を理解し、より良い関係を気付いていきたいですね。
 
参考文献
任栄哲・井出里咲子2004『箸とチョッカラク 言葉と文化の日韓比較』大修館書店

韓国人の親しみの表し方

 日本人からみた韓国人のイメージはよく「熱い」「積極的」「ストレート」だと表現される。その反面、韓国人からみた日本人のイメージは「あいまいだ」「親しくなりにくい」「控えめな態度」と感じている人が多いという。
 

 両国は地理的に近いということで似ているところも多いが、微妙に違うところも多く、たまにトラブルを起こしやすい。さて、上のようなイメージを持つ理由はどこからそう感じるのであろうか。さまざまな原因があるかもしれないが、ここで取り上げたいのは両国の人々の親しみの現れ方の違いを述べたい。


 韓国人は、一旦相手と親しくなろうと思うと、相手のあらゆる情報を知ったうえで付き合いたがる。そのため、日本では失礼だと思われるような質問もためらいなく投げ続ける。「年齢はいくつですか」「結婚はしていますか」「子供は何人ですか」「仕事は何ですか」「どこに住んでいますか」など。


 このようなコミュニケーションが相手への配慮、関心の表し方である。包み隠さずすべてを共有することこそ真の付き合いと思うからである。
 

 ここで興味深い調査を紹介したい。
実際に日本人と韓国人の女子大学生を対象に初対面で会ったばかりの二人が5 分間どのように会話を進めていくか調査が行われ、下の表のような結果が出た。


自己開示の話題数       日本=6.0  韓国=4.2
相手への質問数        日本=6.7    韓国=9.6
  [任栄哲・井出理咲子『箸とチョッカラク』(2004:45)]

 

 結果を見てみると、日本人の方韓国人に比べ、自分自身について自ら話す数が多いのに対し、相手への質問は韓国人が9.6 で2 倍以上多いことが分かる。また、質問の形式も日本人は「はい・いいえ」で答えられる質問で、「文学部の方ですか」などやわらかい表現であったのに対して韓国人は「何」「どこ」「なぜ」のような疑問詞を含んだ質問が多かったという。特に「なぜ」を用いた質問が全体で4 倍以上使われていたという。
 

 このようなことから韓国人にしては日本人の間接的な質問や相手の情報についてあまり聞かないということから「親しくなりにくい」「あいまいだ」といった印象が強く、逆に日本人にしてみれば、韓国人の質問に失礼だと思われたり、戸惑ったりするコミュニケーションの支障が出やすいと思われる。
 

 しかし、このような違いがあることをお互い分かっていれば、このような誤解はお互い理解することができるだろう。
 

 これから韓国人がためらいなく質問してくれればそれが「自分と親しくなりたいと思っているんだな」と考えてもいいだろう。

 

参考『韓国の社会と文化』片茂永2010 年岩田書院

​韓国の食文化

 韓国旅行といえば、韓国料理は楽しみの一つではないでしょうか。やはり食にはその国特有の文化があらわれています。同じ箸文化圏に属する日本と韓国ですが、両国の食事マナーには異なる部分がみられます。今回は韓国の食堂に立ち行った際、知っておくとより韓国の食を楽しめるような韓国食文化をいくつか紹介したいと思います。


 韓国の食器とマナー
 韓国の食堂に行くと目にするのが「(チョッカラ)」と呼ばれる金属製で平べったいお箸と「(スッカラ)」と呼ばれるスプーン、そして金属製の器です。日本人とってこのつるつるしていて重いお箸は慣れるまでは少し使いずらいかも知れませんが、慣れてしまえば細かいものまで掴める優れものです。
 

 韓国は匙文化の国だということができ、ご飯や汁物、スープなどは基本的にスプーンで食べます。日本のように器を手にして口元に近づけて食べることはマナー違反とされています。ご飯は食器を置いたままスプーンで食べるのが韓国流です。


 また、韓国の食堂で焼き肉を頼むと、店員さんが大きな鉄板の上でお肉を焼いてくれますが、その際肉などの食材をハサミでちょきちょき切る光景をよく目にします。このように韓国では食材を切るときに料理用のハサミを使うことがよくあります。

小皿のおかず

 韓国と言えばキムチ。韓国の食堂に行くと必ずと言っていいほど、キムチの載った小皿が出てきます。韓国ではメインのメニューを頼むとキムチやわかめスープ、ポテトサラダ、カクテキなどのおかずが一緒についてきます。その上無料で自由におかわりすることが可能です。
 

 韓国の食堂では日本人の感覚では多すぎるほどたくさんの料理が出てきます。これは韓国文化におけるおもてなしの一つであり、食べきれない場合は残してもかまいません。
韓国にはおいしい料理がたくさんありますが、その中でも日本人観光客に是非味わってほしい韓国料理を3つ紹介したいと思います。
 
1. (チムタッ)

 

 慶尚北道に位置する安東の名物料理。鶏肉をジャガイモ、人参、玉ねぎ、春雨などとともに醤油ベースの甘辛いタレで煮たものです。甘いながらピリッとしたタレが食材にしっかりしみ込んでいて後を引くおいしさです。チムタッを頼むと骨を入れる入れ物とハサミが付いてくるので、春雨をハサミで食べやすい長さにカットしながらご飯と一緒に食べます。ソウルでも専門のチェーン店があちこちにあります。

2. (タッカルビ)

 

「」とは韓国語で鶏のこと。タッカルビとは野菜と鶏肉、(お餅)などをコチュジャンで炒めた辛くてボリューム満点な料理です。お店の人が大きな鉄板の上でたっぷりの野菜と鶏肉を炒めてくれ、蓋をかぶせてしばらくしたら完成。タッカルビを楽しんだあとは、その残りにご飯を混ぜてチャーハンのようにして食べるのが定番です。一味違ったおいしいさが味わえるのでぜひ試してみてください。
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3. (ブテチゲ)

ブテチゲとは「部隊チゲ」という意味を持つ鍋料理です。昔米軍から支給されたソーセージやインスタントラーメンなどの安い食材をキムチ味のスープで煮込んだのが始まりだといわれています。一鍋で様々な食材が楽しめるチゲです。
 
 ここでは紹介しきれないほど韓国料理にはおいしい料理と奥深い文化がたくさんあります。是非韓国の食を味わってみてください。
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国旅行といえば、韓国料理は楽しみの一つではないでしょうか。やはり食にはその国特有の文化があらわれています。同じ箸文化圏に属する日本と韓国ですが、両国の食事マナーには異なる部分がみられます。今回は韓国の食堂に立ち行った際、知っておくとより韓国の食を楽しめるような韓国食文化をいくつか紹介したいと思います。

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